てまり「おそらく深夜」をみた。

招待していただいて、しらとりまなさんの企画、てまり、の「おそらく深夜」という作品を大阪でみた。

 

自分のことをしゃべるというのはなんとドラマチックなんやろう、と思う。

 

僕はそれだけでみていて泣きそうになってしまう。その人がその人のことをむき出しになって語る姿はそれだけでみていてすがすがしい。好きだ。

 

彼女が語った内容に関しては感性がすぐている人たちにお任せしよう。僕は女の気持ちなんてまったくわからん。わかればもうちっとモテておる。

 

だからといって何も思わなかったかというと、そんなことはない。
彼女は自分の恋愛譚から始まる様々を演じて、語って、或いは読んだ。それくらいはわかる。

僕は私小説が好きだ。車谷長吉や西村賢太、椎名誠。これらの人々の私小説は僕の人生に大いに影響を与えている。
笑福亭鶴瓶師匠のトークも大好きだ。この人も自分の身に起こった出来事を作品にまで昇華させて、僕たちを笑わせて、泣かせてくれる。

 

これらの何が素晴らしいか、それは自分をさらけ出して作品にしよう、という覚悟だと僕は感じている。

車谷長吉の小説は「業曝し」なんて形容されたりするけれど、今回の作品も、20代中盤の女性の「業曝し」であったと思う。
普通20代中盤の女が「業曝し」なんてしないと思うのだけれど、しらとりさんはそれをしていて。
それをしようという精神性がもう作品なのだ、と僕は思う。

 

これからもしらとりさんは作品を発表していくらしい。
女の業、そしてそれを表現せずには居れない業を背負い続けて作品が生み出され続ける限り、僕はその

作品を楽しみにし続けるのだろうと思うのです。

 

観にいくと良いと思います。業を背負った女は色気がありますよ。